それって労働基準法違反かも?違反ケースや罰則まとめ

会社で差別やハラスメントを受けてませんか?

昨今の日本においては、社内での差別やハラスメントに悩む方が増えています。

働き方が多様化する一方で、過度なサービス残業やプライベートへの干渉などに悩み、休職や退職にまで追い込まれるケースもめずらしくありません。

そして、実は知らないうちに社内で労働基準法に違反する行為が起きていて、あなたはその当事者になっている可能性もあります。

今回は、労働基準法の違反ケースや罰則についてまとめてみました。

労働基準法とは?

労働基準法は、労働基準(労働条件に関する最低基準)等を定める日本の法律で、1947年9月1日に施行されました。

施行から70年以上が経過している労働基準法ですが、現在も中小企業から大企業に至るまで、多くの企業において労働基準法の重大な違反行為が存在しています。

その原因としては、労働組合の組織率が低いことや、多くの企業で人事権を持つ使用者が労働者に対して強い立場にあること、中小企業においては法令知識の不十分な者が労務管理を担当している場合が多いことなどが挙げられます。

また、労働基準監督官の人員が不足しており、十分な行政監督が実施できていないことも、労働基準法の違反行為が蔓延している原因のひとつだと考えられるでしょう。

労働基準法違反となるケース1.一方的かつ予告なしの解雇

雇用者は、労働者を解雇するときには必ず1か月前に解雇予告をしなければなりません。

解雇予告がやむを得ない理由で不可能となる場合は、労働基準法第20条に従い不足日数分の解雇予告手当を払う必要があるのです。

違反した場合、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金刑となります。

労働基準法違反となるケース2.社会的な身分や性別で差別をされた

労働基準法第3条・4条において、雇用者は労働者の社会的な身分や性別により労働条件を差別することを禁じられています。

違反した場合には、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金刑となります。

労働基準法違反となるケース3.労働者の意思に反した強制労働

雇用者は、労働者の意思に反して強制労働をさせてはならないと労働基準法第5条で定められています。

違反した場合には、1年以上10年以下の懲役または20万円以上300万円以下の罰金刑に処せられます。

労働基準法違反となるケース4.労働者に違約金を求める

労働基準法第16条に従い、雇用者は労働者に違約金を払わせることはできません。

例えば労働者が雇用契約に違反して契約期間中に退職または迷惑行為を行ったとしても、違約金として給料から一定金額を差し引くことは許されていないのです。

また、労働者が借金などをしていた場合も、賃金との相殺は認められません。

違反した場合、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金刑となります。

労働基準法違反となるケース5.中間搾取の排除

派遣労働など法律で認められる場合をのぞき、労働者と雇用者の間に入って中間搾取する行為、いわゆるピンハネは労働基準法第6条で禁じられています。

違反した場合の罰則は1年以下の懲役または50万円以下の罰金刑が科せられます。

労働基準法違反となるケース6.休憩を与えない

雇用者は労働者に対し、労働時間が6時間を超えるときに45分、8時間を超えるときに1時間の休憩を与えなければならないと労働基準法第34条で定められています。

休憩を与えず働かせた場合には、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。

労働基準法違反となるケース7.休日を与えない

労働基準法第35条に従い、雇用者は労働者に対し週に1回以上の法定休日を与えなければいけません。

違反した場合、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金刑が科せられます。

労働基準法違反となるケース8.法定労働時間を超えての強制労働

労働基準法第32条にて、一般の労働者には1日8時間1週間に40時間以上を超えて労働させてはならないと定められています。

ただし、36協定(サブロク協定)という特別な協定を締結した場合は、時間外労働をしても違反とはみなされません。

36協定なしに時間外労働をさせた場合は、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金刑となります。

労働基準法違反となるケース9.残業代・割増賃金を支払わない

労働基準法第37条において、労働者に時間外労働、休日労働、深夜労働(午後10時~翌午前5時までの労働)をさせた場合には、所定の割増賃金を支払うことが義務付けられています。

賃金の割増し率は、一般の時間外労働の場合1.25倍、深夜労働の場合0.25倍、休日労働の場合1.35倍です。

違反した場合、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金刑が科されます。

労働基準法違反となるケース10.療養補償や休業補償・障害補償がない

労働者が労災に遭って療養する場合、雇用者は治療費や休業補償のほか、後遺障害が残った場合には障害に対する補償を負担すべきと労働基準法第75条で定められています。

雇用者は労災保険に加入し、必要なときに保険給付を受けさせるべき義務があるため、違反すると6か月以下の懲役または30万円以下の罰金刑が科せられます。

労働基準法違反となるケース11.産休・育休の請求を認めない

労働基準法第65条、66条、67条において、労働者から産前・産後休暇や育児休業の申出があった場合には、雇用者は必ず認めなければならないと定められています。

違反すると、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金刑が科せられます。

労働基準法違反となるケース12.坑内における未成年・妊娠中女性の労働

18歳未満の未成年や妊娠中の女性を坑内(炭山・鉱山の坑道の中)で労働させることは労働基準法第63条で禁止されています。

現在ではそう多くないケースですが、違反した場合1年以下の懲役刑または50万円以下の罰金刑が科されます。

労働基準法違反となるケース13.有給を与えない

勤続期間が半年以上となった労働者には、労働基準法第39条に則って労働期間や労働時間数に応じた有給休暇を付与する必要があります。

法律に違反して有給を与えなかった場合、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金刑が科されるので注意しましょう。

労働基準法違反となるケース14.遺族に対する補償がない

労災によって労働者が死亡したばあう労働基準法第79条に則って雇用者は遺族に葬祭費の支払いと生活補償をしなければなりません。

違反すると、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金刑が科されます。

労働基準法違反となるケース15.就業規則明示がない

労働基準法第15条、89条、106条に則って、雇用者は労働者を雇い入れるとき、雇用条件を明示する必要があります。

また10人以上の労働者のいる事業所では、就業規則を作成・届出しつつ、労働者に周知させなければなりません。

違反すると、30万円以下の罰金刑が科せられます。

労働基準法違反があった場合はどうしたらいい?

働いている職場で労働基準法に違反していると思われる行為があった場合、まずは社内通報窓口へ相談することをおすすめします。

社内で相談できる仕組みが整っていない、または相談したにもかかわらず改善されなかった場合は、労働基準監督署に通報しましょう。

労働基準監督署(労基)は管轄内の企業が労働基準法を守っていないときに指導勧告や調査、送検などをする権限を持つ厚生労働省の出先機関です。

労働者が労働基準監督署に相談することで、調査や指導勧告が行われた結果、労働環境が改善されることがあります。

また、企業が悪質な場合には送検されて罰則が適用される可能性も0ではありません。

泣き寝入りしたくないなら「弁護士保険」

職場で労働基準法違反にあたるようなトラブルがあった際に、社内の相談窓口や労働基準監督署などに相談しても改善されず、泣き寝入りをする方は決して少なくありません。

しかし、就職や転職が決まった際に弁護士保険に加入しておけば、実際にセクハラやパワハラを受けたときにひとりで抱え込まずに済みます。

労働基準法違反にあたるようなトラブルを弁護士に相談しようにも、着手金をはじめとした費用が高すぎてそのまま泣き寝入りする方も多いため、適切なタイミングで弁護士保険に加入することをおすすめします。

いざというときのために自分を守る「弁護士保険」に加入して、労働者としての権利や健やかな生活を守りましょう。

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