開示請求の費用とやり方まとめ【掲示板に書き込んだ人を特定したい】

掲示板やSNSのコメントを開示請求したい

インターネットが急速に普及した現代の日本では、誰でも気軽に投稿できる掲示板やSNSにおける誹謗中傷に傷つく人が増えています。

誰でもSNSで情報を発信できるようになった分、人を簡単に傷つけられるようになりました。

ユーザー登録が不要で誰が投稿したのかを特定できない「2ちゃんねる」や「爆サイ」は、コメントだけでは誰が投稿者なのかわからない匿名掲示板です。

しかし、ユーザー側からすると誰が投稿したかはわかりませんが、匿名掲示板のサイト管理者側には投稿者につながる情報が保管されており、これら情報を開示してもらうことで投稿者が誰なのかを特定できます。

この手続きを「発信者情報開示請求」といい、一般的には「開示請求」と略されることが多いようです。

発信者情報開示請求は、サイト管理者とプロバイダのそれぞれに開示を求める二段階の請求が必要。ここからは、発信者情報開示請求の流れと費用について解説していきます。

1.サイト管理者へ連絡し、投稿者のIPアドレスなどを開示請求する

まずはネット掲示板のサイト管理者とコンタクトを取り、投稿のIPアドレス(スマホやPCなど、ネットワーク上の機器に割り当てられるインターネット上の住所のような存在)やタイムスタンプ(電子データがある時刻に確実に存在していたことを証明する電子的な証明書)などの情報開示を請求します。

ネット掲示板への開示請求は、サイトごとに手続きが異なります。

事前にお問い合わせフォームから開示請求の申し込みが必要であったり、問い合わせ用のメールアドレスからメールを送信する必要があったりするので、サイト内の利用規約を確認してコンタクト方法を確認しましょう。

2.IPアドレスをもとにしてプロバイダに発信者情報を開示請求する

ネット掲示板からIPアドレス・タイムスタンプなどの情報開示を受けたら、次は経由プロバイダ(インターネット接続事業者)に対して情報の開示を求めます。

プロバイダにはIPアドレスと結びついた契約者情報が保管されており、発信者情報が開示されると匿名投稿者の本名や住所が明らかになります。

なお、プロバイダに発信者情報を開示請求する際には、必ず「発信者情報開示請求書」を郵送する必要があるため、配達記録のある簡易書留などでプロバイダ本社に郵送してください。

プロバイダが発信者情報開示請求書を受け取り、契約者(掲示板に書き込んでいた人物)の氏名や住所を開示してきたら、その時点で開示請求は完了したと言えるでしょう。

開示請求を行う際には「サイト管理者」と「プロバイダ」に2回、発信者情報開示請求書を送付する必要があります。

発信者情報開示請求書のテンプレートはテレコムサービス協会が公開しているこちらを参考にしてください。

なお、発信者情報開示請求書と一緒に「権利侵害された証拠」を提出する必要があり、具体的には名誉毀損やプライバシー侵害にあたる書き込みがされているページを印刷して提出するケースが多いです。

発信者情報開示請求における意見照会

発信者情報開示請求書を受け取ったサイト運営者やプロバイダは、発信者に対して「アナタの情報を請求者に開示しても良いですか?」という意見照会を行います。

意見照会を行うために発信者に送付される意見照会書には「どんな人が、どのような理由で権利侵害されたと主張しているのか、どんな証拠があるのか」が記載されます。

発信者情報開示請求書では、下記3点については請求者が希望すれば発信者に開示されないようになっています。

①氏名
②「権利が明らかに侵害されたとする理由」欄の記載事項
③添付した証拠

相手に開示して欲しくない情報があれば、あらかじめ発信者情報開示請求書を提出する際にチェックを入れておくと、意見照会の時にこれらの情報が発信者に伝えられることはありません。

プロバイダが開示請求を拒否すれば裁判での対応になる

発信者情報開示請求書による開示請求はあくまで「任意開示による請求」なので、任意での交渉である以上、相手が拒否すればそこで手続きは中断となります。

そして実際、個人が発信者情報開示請求書を出して開示請求を求めたとしても、相手が応じてくれるケースはそう 多くないのです。

とくにプロバイダに保管されているのは自社と契約している顧客の情報のため、いくら権利侵害が確認されているといっても、プロバイダ側としてはやすやすと顧客の情報を開示するわけにはいきません。

任意で契約者情報の開示を求めても発信者の同意がない限りは開示が拒否されることがほとんどなので、プロバイダへの開示請求でも裁判所の手続きを利用した開示命令を行うことになるでしょう。

そこで、任意開示による請求に応じないのであれば、裁判所を介して開示を強制する「仮処分命令の申し立て・訴訟」といった手続き方法に移行することになります。

上記の手続き方法はとてつもない時間と労力を必要とするため、多くの人が弁護士に依頼して開示請求(仮処分命令の申し立て・訴訟)を行うのですが、弁護士に依頼する費用は決して安いとは言えません。

しかし、弁護士保険に加入していれば、掲示板・SNSなどの誹謗中傷トラブルに泣き寝入りすることなく対応できる可能性があります。

掲示板の誹謗中傷書き込みの保険金支払事例

弁護士保険に加入しているインフルエンサーのUさん(仮名)は、インターネットの匿名掲示板において事実無根の噂話や外見に関する誹謗中傷の書き込みに悩んでいました。

最近では自身のSNSにも心ないコメントが投稿されるようになり、仕事ができなくなるまで精神的に追い詰められたので、誹謗中傷をした相手に損害賠償を請求するため弁護士に相談することに。

弁護士へ実際に受けた誹謗中傷コメントのコピーや開始時期・頻度・業務への影響などを説明すると、掲示板管理者に対する記事削除請求ならびにプロバイダーに対する発信者情報開示請求の提案を受けました。

その後、弁護士に事件を委任し手続きを行ったところ、掲示板に投稿されていた誹謗中傷コメントが削除され、発信者情報開示請求によりを誹謗中傷コメントを投稿した相手を特定することに成功。

損害賠償請求訴訟を行ったところ、約50万円の損害賠償金※が支払われました。

※損害賠償金は加入している弁護士保険・プランによって異なります。

誹謗中傷で訴えた場合の刑罰内容

誹謗中傷にあたる行為があった場合は、刑事的な責任と民事的な責任の両方を負うことになり、以下の刑罰を受ける可能性があります。

名誉毀損罪

公然と事実を摘示して相手の社会的名誉をおとしめると、刑法第230条の名誉毀損罪が成立します。

罰則は3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金です。

侮辱罪

事実の摘示がない場合でも、公然と人を侮辱すると刑法第231条の侮辱罪が成立します。

「死ね」や「バカ」といった幼稚な表現でも公然性があれば成立する犯罪なので、ストレス発散のつもりで書き込んだコメントなどで侮辱罪に問われることも。

拘留または科料という軽度の法定刑ですが、有罪となれば前科がつくので注意しましょう。

信用毀損罪と業務妨害罪

事実ではないデマを拡散して、人の信用を毀損またはその業務を妨害した場合は、刑法第233条の信用毀損罪・業務妨害罪に問われます。

3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。

ここでいう「信用」とは経済的な信用を指すものであり、たとえば飲食店の評判をおとしめる目的でSNS等に、「店員がお金をちょろまかしている」「店内が臭い」などと虚偽の内容を投稿した場合、本罪が成立する可能性があります。

脅迫罪

相手の生命・身体・自由・名誉・財産に対して危害を加える旨を告知した場合は、刑法第222条の脅迫罪が成立し、罰則は2年以下の懲役または30万円以下の罰金となります。

SNSにおける誹謗中傷で「殺してやる」などの危害を加える内容を含んでいれば脅迫罪に問われるでしょう。

強要罪

脅迫・暴行を用いて人に無理やり行動を起こさせたり権利行使を妨害したりすると、刑法第223条の強要罪によって罰せられ、3年以下の懲役が科される可能性があります。

誹謗中傷のうえで「アカウントを削除しろ」などと強いれば本罪が成立する可能性が高いです。

掲示板やSNSでの誹謗中傷に強い弁護士保険1.弁護士保険ミカタ

弁護士保険ミカタは、法的トラブルについて弁護士等に相談する際の法律相談料と、その解決について依頼する際の弁護士費用などを補償する損害保険です。

掲示板やSNSでの誹謗中傷はもちろん、日常生活に関わるさまざまなトラブルに対応しており、交通事故・離婚・相続・職場でのトラブル・近隣問題・金銭トラブルなど、幅広い補償範囲をカバーしてくれます。

弁護士保険ミカタの月額保険料は2,980円。1年分の保険料を一括で支払うと一括払い割引が適応され、年間保険料が35,200円とやや安くなります。

加入者には弁護士保険に加入していることを証明するリーガルカードとリーガルステッカーが無料で送られるので、玄関や車に貼ったり持ち歩いたりすれば法的トラブルを事前に回避できる可能性も期待できます。

弁護士保険ミカタ公式サイトはこちら

掲示板やSNSでの誹謗中傷に強い弁護士保険2.事業者のミカタ

事務所に所属せずフリーで芸能活動をしている方や、個人事業主として働いている方は、事業者のMikataにしておくとより安心でしょう。

掲示板などの誹謗中傷やSNSでの炎上などで法的トラブルに発展した場合、被害者・加害者どちらになっても、保険金支払い対象となります。

また「事業者のミカタ」に加入すると、普段から弁護士に相談できるようになるため、トラブルが大きくなる前に早めに対応できるのも大きなメリットです。

弁護士直通ダイヤル・弁護士紹介サービスのほか、確定申告・贈与税など税金に関するさまざまな相談ができる税務相談ダイヤルや、契約書・契約内容の相談や内容証明郵便などの対応を弁護士に相談できるリーガルチェックサービスなど、無料の特典・付帯サービスが多く利用できます。

個人事業主・フリーランス向けの弁護士保険『事業者のミカタ』は、月々5,160円から加入可能。詳しい料金は公式サイトの料金表を参考にしてください。

事業者のミカタ公式サイトはこちら

掲示板に書き込まれる前に弁護士保険に加入しておくと安心

目立つ人はどうしても嫉妬されやすく、掲示板やSNSなどで誹謗中傷をされやすいため、自分の名誉を傷つけられたり業務に支障が出たりする前にいつでも弁護士に相談できる環境を整えておくと良いでしょう。

弁護士保険は誹謗中傷をはじめとしたネットトラブル以外にも、パワハラ・セクハラ被害などの法的トラブルにも対応できます。

自分が被害者になった場合はもちろん、法的トラブルの加害者になってしまった場合の相談も可能です。

いざという時のために、弁護士保険に加入して自分の身を守りましょう。

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