マンションやアパートで犬の鳴き声に悩まされる人たち
ペットとして隣人や近所の人が飼っている犬の鳴き声がうるさくて「ストレスを感じている」「夜も眠れない」とお悩みの方が増えています。
最近ではペット飼育可能なマンション・アパートが増えてきたこともあり、時には一軒家に住んでいても、ペットの鳴き声が原因の近隣トラブルに巻き込まれるケースもめずらしくありません。
本来、飼い主としては責任をもって飼っている犬をしつける義務がありますが、法律の規制が飼い主に対してどこまで及ぶかということは別問題。
結論からいうと、周囲に迷惑をかけている飼い主に対しては法律上の罰則はなく、迷惑防止条例違反でも取り締まれないのが現状です。
しかし今回は、犬の鳴き声によるストレスを少しでも解消すべく、有効なアクションを考えてみました。
犬の鳴き声がうるさすぎる場合はどこに相談すればいい?
まず、犬を飼っているのが同じマンション・アパートなどに住んでいる住人である場合、基本的に犬の鳴き声に関する苦情は、管理会社やマンションオーナー(大家)などに通報します。
また、保健所に連絡して指導を求めるのも有効な手段です。保健所ができるのはあくまで注意のみとなりますが、公的な機関である保健所から注意をされたとなれば、飼い主の行動にも変化が見られるかもしれません。
もしくは各都道府県や市区町村の窓口でも、犬の鳴き声・騒音に関する苦情を受け付けています。
動物愛護管理法9条では、地方公共団体に対して迷惑な飼い主に対する指導などの権限が与えられているので、自治体側から飼い主に連絡して注意をしてくれるかもしれません。
また、騒音が極端にひどいケースでは、動物愛護管理法25条で都道府県知事の飼い主に対する指導・助言・勧告・措置命令・検査などの権限も与えられています。
第九条 地方公共団体は、動物の健康及び安全を保持するとともに、動物が人に迷惑を及ぼすことのないようにするため、条例で定めるところにより、動物の飼養及び保管について動物の所有者又は占有者に対する指導をすること、多数の動物の飼養及び保管に係る届出をさせることその他の必要な措置を講ずることができる。
管理会社・大家・保健所・自治体の窓口に相談し注意を行っても改善がみられず、犬の鳴き声による騒音があまりにひどい場合には、110番に電話をすると「巡回活動の一環」として警察官が飼い主に注意をしてくれる場合ケースもあります。
しかし、犯罪行為が関係する場面ではないため、警察による介入はあまり期待しないほうがいいでしょう。
犬の鳴き声でうつやノイローゼになった場合は傷害罪になる?
犬の鳴き声に耐えきれず、ストレスが原因でうつやノイローゼと診断された場合、傷害罪と認められるのでしょうか。
しかし、傷害罪の成立には「犯罪の故意」が必要で、「悪意があって犯罪行為を行った」「犯罪行為と理解したうえで犯行を行った」など、自分の意思で故意に犯罪を犯した場合に傷害罪として認められるのです。
つまり、犬の鳴き声がうるさいケースでは、「犬の鳴き声を故意に響かせて、近隣住民をノイローゼにしてやる」という悪意がない限り、傷害罪の故意は認められません。
多くの場合、飼い主側は犯罪を犯すつもりで犬を吠えさせているわけでなく、単純に鳴き声がうるさい犬を放置していると考えられるので、傷害罪としては認められないのです。
鳴き声がうるさい犬の飼い主に対して損害賠償請求は可能?
犬の鳴き声によって原因で病気になっても「傷害罪」としては求められませんが、鳴き声がうるさい犬の飼い主に対して損害賠償請求ができる可能性があります。
民法718条1項では、以下のように定められているため、場合によっては飼い主に対して損害賠償を請求できます。
動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う
ただし、飼い主が相当の注意をもって動物を管理していたと証明された場合は、例外的に損害賠償を請求することができません。
それでは、飼い主の損害賠償義務を認めた裁判例を見てみましょう。
Case1.犬が異常な鳴き方をしていることが認められた
閑静な住宅地において、被告が飼っていた4匹の犬(柴犬、ピレニアン・マウンテンドッグ2匹、紀州犬)の鳴き声が一定時間断続的に続き、夜間や朝方にも及び近隣住民に多大な迷惑をかけていたという事案です。
一般論として飼い主は、飼い犬に対して愛情をもって接する・規則正しく食事を与える・散歩に連れ出し運動不足にしない・日常生活におけるしつけを行うなど、ペットを飼育する上での注意義務を負うとされました。
そのうえで、犬が異常な鳴き方をしていることを理由に、飼い主の注意義務違反を認定し、原告1人あたり30万円の慰謝料支払いが命ぜられました。
Case2.飼い主の「保管義務違反」が認定された
連日深夜や早朝に、マルチーズやシェパードが極めて異常な程度に吠えていた。
飼い主が昼間はほとんど家を不在にしており、また犬を運動させたりすることもほとんどなかったため、飼い主の「保管義務違反」が認定され、原告である夫妻に対する各30万円の慰謝料支払いが命ぜられました。
犬の鳴き声が原因で裁判を起こす場合、弁護士費用も請求できる?
飼い主に対する慰謝料請求が認められる場合には、訴える際にかかった弁護士費用も併せて飼い主に対して請求できるケースがあります。
ただし、弁護士費用としてどの程度の金額が認められるかは、裁判所の裁量により決定されるため、実際にかかった弁護士費用をカバーしきれず、結果として損をして終わってしまうこともあるので注意が必要です。
犬の鳴き声をはじめとしたご近所トラブルに備える弁護士保険
「より幅広いシーンで弁護士費用を補償してほしい」「弁護士に気軽に相談したい」という方には、弁護士保険への加入をおすすめします。
「弁護士保険Mikata(ミカタ)」は日常生活に関わるさまざまなトラブルに対応しており、違法な退職勧奨だけでなく、交通事故・離婚・パワハラ・近隣問題など、幅広い補償範囲をカバーしてくれます。
特約サービスもかなり充実していて、家族で加入すると保険料が約半額になる『家族特約(家族のMikata)』や、福利厚生としてもご導入いただける『団体契約』などが選べるため、複数人での加入を検討している方にもおすすめです。
さらに、争う金額がそれほど大きくない法的トラブルについて、より保険をご利用いただきやすくなる『一般事件免責金額ゼロ特約』など、カバーする範囲に合わせたプランが選べます。
弁護士保険Mikata(ミカタ)の月額保険料
弁護士保険Mikata(ミカタ)の月額保険料は2,980円。1年分の保険料を一括で支払うと一括払い割引が適応され、年間保険料が35,200円とやや安くなります。
加入者には弁護士保険に加入していることを証明するリーガルカードとリーガルステッカーが無料で送られるので、玄関や車に貼ったり持ち歩いたりすれば法的トラブルを事前に回避できる可能性も期待できます。
約半分の保険料で家族を補償の対象にすることができる家族特約「家族のMikata」を利用すると、3親等以内の家族であれば、被保険者1名につき月額1,500円で主契約と同等の補償を受けることができます。
また、月額保険料にプラス月額630円(家族特約の被保険者は月額310円)を支払うことで、下記の一般事件免責金額ゼロ特約を受けられます。
免責金額とは、弁護士保険Mikata(ミカタ)が支払う保険金額を算出する際に、基準弁護士費用から差し引く金額のこと。
通常、免責金額は被保険者の負担になりますが、この特約を付加することでその金額が0円になります。
弁護士保険Mikata(ミカタ)の保険金の種類と金額
弁護士保険Mikata(ミカタ)が支払う保険金は『法律相談料保険金』と『弁護士費用等保険金』の2種類です。
法律相談料保険金は、弁護士に法律相談した際の費用を補償する保険金で、1事案22,000円が上限となっています。
弁護士費用等保険金は、弁護士にトラブルの解決を依頼した際にかかる費用を補償する保険金で、社内で独自に定めている『基準弁護士費用』を元に算出し、『依頼した弁護士に支払う金額』と『基準弁護士費用を元に算出した金額』のどちらか低いほうを保険金としてお支払いします。
偶発事故の保険金支払い例
事故や火災、水漏れなどの偶発事故の場合、弁護士等に支払う法律相談料と弁護士費用等(着手金・手数料・報酬金・日当・実費等)の実費相当額が補償の対象となります。
特定偶発事故における『基準弁護士費用を元に算出した保険金』は、”基準弁護士費用 × 縮小てん補割合100%”※で算出します。
例えば、交通事故に遭ってしまい、解決を依頼した弁護士から100万円を請求され、基準弁護士費用も100万円だった場合は以下のような計算になります。
一般事件の保険金支払い例
遺産相続や離婚問題、いじめなどの一般事件の場合、弁護士等に支払う法律相談料の実費相当額と弁護士費用等(着手金・手数料)の一部※が補償の対象となります。※報酬金・日当・実費等は補償の対象外
一般事件における『基準弁護士費用を元に算出した保険金』は、”(基準弁護士費用 - 免責金額5万円)× 縮小てん補割合70%”で算出します。
例えば、貸したお金1,000万円の返還を求めて、相手方との交渉を依頼した弁護士から47万円請求され、基準弁護士費用が45万円だった場合は以下のような計算になります。
補償範囲や補償割合はトラブル内容や状況によって異なるので、質問・相談がある場合は公式サイトのメールフォームまたは電話で確認してみてください。
弁護士保険Mikata公式サイトはこちら
弁護士保険Mikata(ミカタ)の加入条件
弁護士保険Mikata(ミカタ)の加入条件は、以下の3点となっています。
- 責任開始日において満20歳以上の方(保険契約者となる場合。20歳未満であっても被保険者になることは可能です)
- 責任開始日において日本国内にお住まいの方
- 日本語で普通保険約款、重要事項説明書、その他申込書類の内容を正しく理解し、読み書きができる方
申し込み時には、口座情報またはクレジットカード情報※が必要になるので、あらかじめ準備しておきましょう。
※ご契約者さま個人名義のものに限ります。
弁護士保険Mikata公式サイトはこちら